目の老化について
臓器というと、心臓や肝臓など体の中にあるものを想像しがちだが、「目」も立派な臓器の一つです。目も加齢に伴い老化していく臓器です。
人間の体内では、常に活性酸素という物質が作られていて、過剰に出来ると臓器を錆びつかせてしまいます。
私たちは呼吸によって大量の酸素を体内に取り入れていますが、そのうちの約2%が活性酸素になるといわれています。
活性酸素は殺菌力が強く、体内では細菌やウイルスを撃退する役目をしています。ところが活性酸素が増えすぎると、正常な細胞や遺伝子をも攻撃(酸化)してしまうのです。

目に老化現象が現れたということは、全身の臓器が酸化ストレスにさらされていることを示唆します。
逆に目の老化防止は全身の老化防止につながります
老化が進むと起きる代表的な目の疾患は4つ、老眼、白内障、緑内障、加齢黄斑変性です。
老眼
加齢とともに誰にでも起きること、人により進み方が異なります。
遠くから近くに目を転じた時にピントが合うまでに時間がかかるようになる、小さい字、新聞などの文章が遠くに離さないと見えずらいなどが老眼の症状です。

ピントは水晶体と呼ばれるレンズの厚みを変えることにより調整しているのですが毛様体筋が老化により自在に厚みを変えられないことによりピントが合わなくなってくるこれが老眼です。
予防は難しいですが、毛様体筋を休める方法として、「温める」のがお勧めです。
目が疲れたと感じたら、目を温めるアイマスクをしたり温かいタオルなどを目の上にのせると血流がよくなり目の周りの筋肉の緊張もほぐれます。
夜、星を見ると毛様体筋などの筋肉がほぐれて良いそうです。
白内障
老化が進むと代謝しきれない老廃物が蓄積され肌にシミが出来る様に、目にも同じことが起こります。水晶体に溜まった老廃物により目が濁っていくことが白内障です。

治療方法も確立されていますが、予防することが第一ですが、予防策として効果が明らかなものはありません。
食事、運動、睡眠を見直し、アンチエイジング3原則を意識するしかありません。
緑内障
日本人の失明原因第1位の病気です。
眼球の中には“房水”という液体があり、つねに一定の量になるよう循環している。
ところが、老化現象で排水口が目詰まりを起こすことがある。房水の湧出に排出が追い付かなくなり、眼圧が高まって視神経が押し潰されてしまうのです。
日本をはじめとするアジアでは、一般的な緑内障よりも正常眼圧緑内障のほう

が圧倒的に多いといわれています、眼圧は正常なのに緑内障の症状が起きることがあり、これが正常眼圧緑内障です。原因と考えられているのは活性酸素による酸化(老化)が視神経の線維を弱くし、正常眼圧に耐えられない状態なっていく。
緑内障は糖尿病網膜症の合併症として起きるタイプもあり、糖尿病にならないことも予防になります。
また、睡眠中の無呼吸による低酸素血症こそが眼圧が上がらない緑内障のリスクを高めるのではないかと考えられています。
睡眠時無呼吸症候群は肥満が原因とされています、肥満にならない様にすることも予防といえます。
加齢黄斑変性症
日本人の失明原因の4位です。
病名に加齢とついているのは明らかに加齢が原因となる病気だからです。
黄斑は老化が進みやすい部分であるが、モノを見たり、色を識別する上で重要な部位です。黄斑に光が多く集まり組織の老化も早まるります、傷ついた黄斑部分は修復をするため新しい血管を作り、網膜が損傷を受け視力障害を招く、これが加齢黄斑変性症です。

ルテインという栄養素を摂取することが予防する方法です。
ルテインは、卵黄や緑黄野菜、特にほうれん草やケールに含まれる色素成分です。
黄斑にはルテインが存在しますが、加齢とともに減っていき、これが目の老化の原因の一つです。ルテインは体内で合成されないので、食事で補うしかないので積極的に摂取するようにしましょう。
ルテインを摂取することで、加齢黄斑変性の発症頻度が下がることは、NEI(米国眼研究所)による大規模臨床研究で証明されています、ビタミンC・E、亜鉛、銅などを摂取することで発生予防に役立つことは明らかです。